2012年5月11日金曜日

NHKスペシャル 「職場を襲う"新型うつ"」

NHKスペシャル 「職場を襲う″新型うつ″」、再放送を見ました。
ネットでの反響を見ていて、どんな番組なのかハラハラしておりましたが、思っていたほど偏った内容ではなかったように思います。

内容に関しては、既に綺麗にまとめて下さっている方がいらっしゃるので、そちらをご参考に。

「職場を襲う」という言葉がタイトルにあるぐらいなので、やはり企業目線の番組構成のように感じました。そういった目線で、「新型うつ」という現象を理解することも重要なので、これはこれで価値のある番組だったと思います。また、教育や子育てといった視点からの解釈もなかなか興味深かったように感じます。

ただ、次にあげる3点は大いに問題があったように思います。
  1. 「新型うつ」という言葉をしっかりと定義せずに議論を展開させていったこと
  2. 定型うつ、非定型うつ、双極性障害(躁うつ病)と、「新型うつ」の違いがきちんと区別されていなかったこと
  3. 若者の感情障害等の精神疾患の全てが「新型うつ」では無い、ということをハッキリとさせなかったこと

日本うつ病学会によると、 「新型うつ」という専門用語は無い、とされております。その言葉をあえて番組でメインテーマとして使うことにしたわけですから、まずはこの現象がいかなるものであるのかをきちんと定義していただきたかったです。確かにドラマから「なんとなく感じをつかむ」ことはできましたが、未だ、私には「結局、『新型うつ』って何なの?どこまでを『新型うつ』と呼ぶの?」という疑問が消えません。

また、定型うつ、非定型うつ、双極性障害(躁うつ病)と、この「新型うつ」との違いがはっきりと示されていなかったため、感情障害の全てが「新型うつ」である、と考えられてしまう危険性もあるように感じます。同様に、若者の感情障害等の精神疾患の全ては「新型うつ」である、と捉えられてしまう危険性も感じました。

そもそも、どうして「新型うつ」と捉えられてしまうことが問題なのかというと、そのイメージがあまりにもネガティブだからです。

実際、ドラマに描かれていた青年の印象は、私の中では非常にネガティブなものでした。同じように感じた視聴者も多いのではないでしょうか。あの青年が「新型うつ」を象徴しているのだとすると、私たちの中での「新型うつ」のイメージは相当に悪いものである可能性が大きいですよね。仮に、自分が、そのイメージの悪い「新型うつ」である、と誤解されたと想像してみて下さい。決して気持ち良い感覚ではないと思います。

あのドラマでの非常にネガティブな「新型うつ」の描写を考慮すると、あれは従来のうつ病のみならず、精神疾患全般の印象を悪くしかねない演出だった、と私は強く感じております。

次回、このような特集を組む際には、言葉の定義をしっかりと行ってほしいですし、また、スティグマを助長させるような演出に気を付けてほしい、と思いました。

0 コメント:

コメントを投稿