2012年3月29日木曜日

患者さんがネットで副作用報告

日本でも、いよいよ患者が副作用を報告できる体制を整えるようです。
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患者がネットで副作用報告 医薬品の安全対策で試行

独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」は26日、医薬品によって生じた副作用の情報を患者や家族がインターネットを通じて登録できるシステムの試行を始めた。将来、安全対策に反映させることを目指す。

薬事法は、製薬会社や医師らに国への副作用報告を義務付けているが、患者が直接伝える仕組みはなかった。薬害肝炎を踏まえた厚生労働省の検討会が2010年の最終提言で制度の創設を求めたほか、別の有識者会議も今年1月、患者からの副作用情報を活用するべきとしていた。

登録するのは、副作用を起こした医薬品名と、患者の性別、年齢、症状、発症した時期など約40項目。詳しく調べる場合があるため、報告者の氏名や連絡先も必須。

試行期間は決まっておらず、まずは集まった情報を分析し、安全対策への生かし方や、システムの改良を検討する。

登録は、同機構によるホームページ「医薬品医療機器情報提供」(http://www.info.pmda.go.jp/)のうち、「一般の皆様向け」情報にある「患者副作用報告」からできる。
~共同通信社~
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日本経済新聞によると、こういったシステムはイギリスとアメリカでは既に導入されている、とのこと(参考)。日本でも、患者さんからの直接的な報告が安全対策に活かされていくと良いですね。

<参考サイト>
副作用情報、患者が直接報告 医薬品機構がシステム運用開始(日本経済新聞)

2012年3月27日火曜日

バソプレシン(AVP)検査中止

三菱化学メディエンス株式会社は、バソプレシン(AVP)の検査受託を本年3月末日をもって中止することを発表しました。日本内分泌学会のサイトに、今後の三菱メディエンスの対応についての通知文が掲載されております。

↓↓↓ バソプレシン(AVP)の検査受託に関わる件(PDFファイル)
http://square.umin.ac.jp/endocrine/hottopics/20120326avp.pdf

ポイントは4つ。
  • 本年3月末日をもってAVPの検査受託を中止する。
  • この試薬は尿崩症の診断基準に使われている国内唯一の体外診断用医薬品である。
  • 現行のものとは異なる抗体や試薬を用いた検査を本年6月より受託開始予定である。
  • この別方法の検査は研究用であり、診療報酬の請求には用いることができない。
4月以降、尿崩症の診断はどうなるのでしょう?
…心配です。

2012年3月25日日曜日

先端巨大症の私が一番恐れていること

先端巨大症で「怖いこと」は、医学的には、糖尿病、高血圧症、高脂血症、悪性腫瘍など色々あり、実際に私も耐糖能障害を持っております。しかし、今20代の私が恐れていることは、実はそういった合併症ではないんですよね。

例えば…
今使っているお薬が、副作用等、何らかの理由で使えなくなったり、IGF-1のコントロールが悪くなったりしたことを想像した時、私が一番最初に心配になるのは、どうしても外見上の変化となってきます。

術前は確かに私も先端巨大症特有の外見になっていたのですが、IGF-1値のコントロールが良好となってからは、目立った外見上の特徴は無くなりました。未だに自意識過剰になることがありますが、最近は「スタイルが良い」「かわいい」など、外見も褒められることが増えてきたので、「(コントロール不良だと)外見が変わってしまう病気」にかかっていることを、あまり意識しなくなりました。

しかし、「IGF-1がコントロールできなくなったら?」と考えると、とたんに、「外見が変化してしまって、醜くなってしまうのでは?」と不安になります。いえ、「不安」ではなく「恐怖」と言った方が良いかもしれません。

周囲は、私がどんな見かけになっても受け容れてくれるかもしれません。ただ、肝心の私の中で、なかなか気持ちの折り合いがつかないんですよね。これから変わってしまうかもしれない外見のことを考えても何も始まらないわけですが、ついこんなことを考えてしまう瞬間があります。

とはいっても、今のところは、そういった恐怖感や、逆に外見を褒められることが治療の大きなモチベーションになっているので、外見へのこだわりも一概に悪いものでもないんですけどね。

2012年3月21日水曜日

術後、精神的に病んでしまった根本的な理由

2007年11月、術後7か月の私はBPD(境界性パーソナリティー障害)と誤診されるほど荒れていました。精神科に緊急入院した時に至っては、保護室に送られたことも。

今は、わりあい落ち着いているので、私を知る人に当時の状態を説明しても信じてもらえないかもしれません。

今更ですが、「あの頃、どうしてあんなに辛かったのかしら」とふと考えてみました。

きっと、不公平感、怒り、悲しみ、孤独感、(心の)疲労、といったものなんでしょうけど、特に大きかったのは不公平感と孤独感だったように思います。そういった感情を抱く「弱い自分」が許せず、また、これらの感情も否定しておりました。問題は多分コレだったんだと思います。

病気を不公平と思うのは間違い?

クリスチャンだからでしょうか、私は自分の人生を不公平だと感じること自体が罪だと感じてしまうんですよね。それは、一人ひとりの人生が神様のご計画のもとにある、と信じているからです。私は病気も神様のご計画だったのだ固くと信じているのですが、術後、自分の病気(、または主のご計画)を不公平と感じてしまっておりました。私はそう感じてしまうことが非常に間違ったことである、と思い、なるべく不公平感を抑圧するようにしておりました。

しかし、こういった私の姿勢自体が間違っていたのでは、と今では考えております。確かに、主のご計画を「不公平だ」と避難するのは正しいことではないかもしれません。しかし、そう感じてしまっている自分を全否定してしまったのは、更に良くなかったのだと思います。

もしも、あの時の自分と同じ境遇に親友がいたとして、私はその友人に、「不公平?そんなこと思うなんて、本当にとんでもない間違いですよ。」なんて言うでしょうか?でも、私が自分にやったことは、まさにそういうことだったのです。

偏った考えからの孤独感

あの頃の私は、自分が苦悩していることを周りの人に話すことができず、とにかく孤独でした。もしかしたら、私さえ話す体制が整っていれば、周りはいつでもWelcomeな姿勢で構えていてくれたのかもしれません。ただ、私には話す勇気がありませんんでした。

また、当時の私は変なプライドがあり、「強い、立派な人」と思われたい、という願望がありました。「苦悩している人」なんて弱い人間のイメージだったので、間違ってもそんな風には見られたくなかったんですよね。

しかも、自分の苦悩について話すなんて、聴き手に迷惑をかけることだと考えていました。今、考えてみると馬鹿げたことなのですが、私は人に迷惑なんて一切かけたくない、と強く思っておりました。人は誰でも迷惑をかけながら生きていくものなのに…。

極め付けは、自分の孤独感の全否定です。孤独に感じていることも「弱い人間」のイメージだったので、自分の孤独感も否定しておりました。

こういった偏った考え方が、希少疾病を患っている私をより一層孤独にしていました。

感情の認識・言語化

あの頃の私に必要だったことは、不公平感、孤独感をはじめとしたネガティブな感情を、まずは意識上にあげて認識し、言語化することだったのだと思います。

あの頃の私はネガティブな感情は「感じてはいけない感情」と振り分け、抑圧していました。でも、「感じてはいけない感情」なんて存在しないんですよね。感じてしまった以上、その感情の面倒は見てあげないといけなかったのでしょう。というのも、感情を放っておくと、私の場合、行動化してしまうので。

認識した感情を言語化すること ― これは私が苦手とすることでした。しかし、感情の言語化を意識するようになってからは、ネガティブな感情を行動化してしまうこと(自傷行為、食べ吐きなど)は無くなりました。

また、認識・言語化した感情を認めてあげる、というのも重要なことです。「間違った行動」というのはあっても、「間違った感情」というのは存在しないわけですし。


最近、この「感情の認識・言語化」も随分できるようになってきました。
私も成長した、ということでしょうか。

2012年3月17日土曜日

4月から

とうとう異動

4月から新たな部署でお世話になることになり、期待半分・不安半分、といったところです。より自分のやりたかったことに近づくので、楽しみなのですが、職場環境が変わるので、精神的に不安定にならないか不安でもあります。でも、きっと大丈夫だと信じて、新しい環境に飛び込んで行きたいと思います。

また、異動とはいっても、転居はなく、オフィスのフロアが変わるだけなのは、病者としては本当にホッとしております。もしも転居となったら新しいドクター(複数)を探さなくてはいけなくて、大変なことになっていたと思うので。

転院

4月から、精神科だけ新しい医療機関に転院します。自宅からのアクセスも良く、通いやすくなるのが嬉しいです。こう書くと、このブログの読者さんの中には「えっ、(主治医の)O先生は?」とおっしゃる方もいらっしゃるとは思いますが、主治医は引き続きO先生です。現主治医と一緒に転院することにしました。

私が唯一、「選ばなかった」ドクターが(参考)、今度はそうではなくなります(笑)。今回は私がついていくことを選んだので。

実は、今の病院で他の先生のお世話になることも考えたんですよね。なので、予約外で他のドクターにかかった時に「この先生とは比較的相性が良い」と感じたドクターについては主治医にも報告したりしていました。それでも、O先生との信頼関係や先生のお人柄などを考えたら、やはり、引き続きO先生にお世話になりたい、と思ったんですよね。

なので、これからもO先生にはご迷惑をお掛けすることになります(笑)。
ということで、O先生、今後ともよろしくお願いします。

<過去ログ>
「精神科主治医はどうやって見つけたの?」
「まだまだ迷惑かけて下さい」

2012年3月12日月曜日

Pasireotide、クッシング病に有効

m3で、また興味深い論文を発見しました。

クッシング病、有望な新治療薬
(原文はA 12-Month Phase 3 Study of Pasireotide in Cushing's Disease

ここでは和文で要約させていただきます。

この二重盲検第三相試験では、尿中遊離コルチゾール値が正常値の上限の少なくとも1.5倍以上あるクッシング病の成人患者162人を対象にPasireotideの効果を検証した。600μg(1日2回)に82人、900μg(1日2回)に80人を無作為に割り当てた。結果、600μg群、900μg群の両群において、2か月目までに尿中遊離コルチゾールの中央値が約50%に減少し、その後も安定した。

以前にPasireotideのことを書いたことがありますが(参考)、今回はそのお薬のクッシング病への有効性を検証した第三相試験です。結果は上記の通り。副作用については次のように書いてあります。

高血糖関連の有害事象が162人中118人に見られた。その他の有害事象は、他のソマトスタチン誘導体と同様であった。コルチゾール値の減少は認められたものの、血糖値および糖化ヘモグロビン値が投薬開始直後に増加したが、その後安定した。

「結論」は次の通り。

Pasireotideを投与したクッシング病患者において、コルチゾール値の有意な減少が見られた。この結果はPasireotideがACTH産生腫瘍の治療薬となる可能性を支持している。
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元の文献は

A 12-Month Phase 3 Study of Pasireotide in Cushing's Disease
Annamaria Colao, M.D., Ph.D., Stephan Petersenn, M.D., John Newell-Price, M.D., Ph.D., James W. Findling, M.D., Feng Gu, M.D., Mario Maldonado, M.D., Ulrike Schoenherr, Dipl.-Biol., David Mills, M.Sc., Luiz Roberto Salgado, M.D., and Beverly M.K. Biller, M.D. for the Pasireotide B2305 Study Group

N Engl J Med 2012; 366:914-924March 8, 2012


<過去ログ>
Pasireotide (SOM230)

<参考サイト>
クッシング病、有望な新治療薬
A 12-Month Phase 3 Study of Pasireotide in Cushing's Disease

2012年3月11日日曜日

「まだまだ迷惑かけて下さい」

前回の心身医療科の診察室での一コマ。)

うつ転してから1か月経ち、しかも祖父の死もあり、結構苦しい状態でした。
薬はベースは変更なく、そこに眠剤のエバミール(1~2㎎)を追加。
実は、祖父が他界してからというもの、全然眠れなくて、エバミール1㎎では3時間で覚醒してしまう状態でした。2㎎でちょうど良い感じだったので、いつも頓服する量の2倍、処方してもらいました。

前々回から前回までの診察の間に何度も主治医には連絡しては指示を仰いでいたので、とても申し訳ない思いがありました。それと、「この精神状態であとどのくらい持つんだろう?」という思いもあったので、
「先生、ご迷惑をお掛けしました。」
と一言。

その時の主治医の言葉が泣けました。
「まだまだ迷惑かけて下さい。」

そういえば、以前にも「人間は皆、迷惑を掛けながら生きていくんですよ」なんておっしゃっておりました。

薬の処方だけではなく、こういった言葉も共に処方して下さる精神科医の存在は本当にありがたいです。この時ばかりは、主治医がO先生で良かった、とつくづく思いました。

2012年3月7日水曜日

5人に1人

PNA(Pituitary Network Association)のニューズレターに添付されていたYouTubeの動画、なかなか興味深い統計が出ていたので、ご紹介したいと思います。

下に、動画に出てくる英文の和訳を載せておきますね。



5人に1人
全ての都市で
全ての州で
全ての国で

研究の統計によると…

米国では100万人がHIVと共に生活している。
米国では100万人がパーキンソン病と共に生活している。
昨年、米国では1千300万人ががんと診断された。

米国で下垂体/ホルモンの病気と共に生活している人の数は?
総計6千万人と推定されている。

5人に1人


私が先端巨大症と診断された頃から、この「5人に1人」というPNAの言葉は知っていたので、当然、下垂体/ホルモンの病気は多い、ということは知っていました。しかし、こうして他の病気と比べると、やはり多いですよね。

消してしまいたい過去のエントリー達

過去のエントリーを読んでいると、よく、「えっ、私、こんなの書いたんだ!」と思うことがあります。大体はあまり良い意味の驚きではありません。中には削除したり書き直したりしたいエントリーも沢山あります。「大げさだなぁ。」「なんで、私、こんなに感情的だったんだろう?」「こんなプライベートなことまで、よくも書いたものだなぁ。」などなど。

でも、私はあえてそういったものも含め、エントリーは残しております。その理由は2つあります。

①過去の自分を受け入れる

一つ一つのエントリーには、その時の私の思いが込められているので、今の私が過去の私を否定することもないのかな、と思います。また、日記で、本当にどうでも良いことが書いてあったりすることもありますが、その時の私にとっては大事件だったから書いたのでしょう。

読んでいて恥ずかしいエントリーも多々ありますが、それも自分なんですよね。過去の自分を受け入れる、という意味で、あえて削除したり書き直したりせずに残してあります。

②同じように苦しんでいる方のために

私が消したい、と思っていたエントリーを読んだ読者の方からメールをいただくことがあります。「自分と同じように感じている人がいる、と知って安心しました。」といった内容です。特に一番苦しかった頃の記事は本当はまとめて削除してしまいたいぐらいなのですが、それでも、当時の私と同じような気持ちで生活している方は、今でもいらっしゃるんですよね。そういった方々のためにもエントリーは残しておこう、と考えました。

こんな理由で、本当は消してしまいたいエントリーも残してあります。なので、過去ログをお読みになる際には、「おバカな奴だなぁ」と気長に読んで下さるとありがたいです。

2012年3月6日火曜日

今年も研究集会、やります!

今年もAcromegaly Communityはラスベガスで研究集会を開催いたします。
イベントのウェブサイト

日時:2012年6月8日(金)~10日(日)
8日(金)は16:00~22:00
(参加登録&懇親会)
9日(土)は8:00~16:30
(希望者は19:30からのアクティビティーも参加できます)
10日(日)は8:00~13:00

場所:米国ネバダ州ラスベガス
Red Rock Casino, Resort & Spa
4月8日までに予約をすれば、$110/泊(リゾート料込み)&税。
6月5日~13日まで、このレートで宿泊できます。

参加費:1人$150
グループ割引もあります。
2人だと1人当たり$145
3人だと1人当たり$135
4人だと1人当たり$130

申し込み:こちら
上のリンク先に奨学金の申込書もあります。

今年、登場する専門家を下に記載させていただきます。

Daniel Kelly, MD
Catherine Jonas, LMFT
Calerie Golden, JD, PhD
Cheryl Prevor, PsyD
Terry Kunz RN, HTCP, LMT
Vickie Smith, HTCP/I, LMT

また、今年もターニャ・アンガスさん(参考1参考2)が来られます。
それだけではなく、なんとプレゼンテーションもする、というお話をチラッと聞きました。

昨年の研究集会も素晴らしかったですが(参考)、今年はそれ以上のものになると良いですよね。

<参考ページ>
アクロメガリー・コミュニティーの研究集会(2011年6月5日更新)

<過去ログ>
Tanya Angusさん―最新ニュース
昨日、テレビにTanya Angusさん登場!