2012年2月17日金曜日

うつ病の新たな治療法・診断法

先日、NHKの「ここまで来た!うつ病治療」の再放送を見ました。
私にとって、とても興味のあるエリアの内容なので、思わず見入ってしまいました。
将来、日本でのうつ病の治療法や診断法も変わってくるのかしら?という期待も湧いてきました。

私は特に、経頭蓋磁気刺激法(TMS)という治療法と光トポグラフィー(NIRS)による診断について関心を持ったので、この2つ絞って書いていきたいと思います。

経頭蓋磁気刺激法(TMS)

薬物療法で改善しない患者さんへの新たな治療法として注目を集めているのが、経頭蓋磁気刺激法(TMS)。これは脳に直接、磁気刺激を与える治療法です。

脳には背外側前頭前野(DLPFC)という場所があるのですが、ここは意欲や判断を司っており、同時に、恐怖や不安を起こす扁桃体を制御する働きもあるとされています。うつ病では、このDLPFCの機能が低下しているそうです。そこで、DLPFCを磁気刺激によって刺激して活性化する、というのがTMSという治療法。

番組では、様々な抗うつ剤を試してきても症状が改善されなかった患者さんが、TMSで劇的に症状が改善されていく様子が示されていました。この治療法、日本ではまだ承認されていませんが、治験を行っている施設はあるみたいです。難治性のうつ病の患者さんのためにも一刻も早い承認を!と思いました。

光トポグラフィー(NIRS)による診断

現在、うつ病の診断は問診によるものです。しかし、これですと、うつ病と症状が似ている双極性障害などとの見極めが難しいところ。例えば、双極性障害の患者さんの中には躁状態が軽く短い人もいます。こういう患者さんはうつ状態の時に受診するので、単極性のうつ病と誤診されやすいのです。しかも、双極性の患者さんを単極性として治療すると躁状態を悪化させてしまい、危険です。そのため、より確実な診断が求められています

現在日本では、施設は限られているものの、問診よりも客観的な診断が行える方法が出てきました。光トポグラフィー(NIRS)という、脳の血流を測定する方法です。これによって、うつ病、双極性障害、統合失調症を客観的に見分けられるようになってきたそうです。まだ、NIRSによる診断が出来る施設はごく少数ですが、こういった方法が広まることで、誤診も減り、より的確な治療を行うことができるようになるのでは、と期待しております

以前、BDNFのお話もしましたが(参考)、BDNFの場合、「病気を見分ける」ということはできません。というのも単極性も双極性も共にBDNFが低下する、という結果になるためです。(もちろん、病気のメカニズムを理解する上では非常に有用だと思いますが。)それとは対照的に、NIRSは3つの病気(うつ病、双極性障害、統合失調症)を識別できますので、そこが優秀です。

TMSもNIRSも、機械導入に伴うコストといった課題もありますが、1患者としては、どちらも(TMSについては、まずは承認が必要ですが、)より多くの施設で導入されることを望んでおります。皆さんはどう思いますか?

<過去ログ>
気分障害の血液検査?
「うつ病克服へのロードマップ」に参加⑤

0 コメント:

コメントを投稿