2011年8月26日金曜日

下垂体腫瘍と精神科のお薬

私は精神疾患を合併している先端巨大症の患者です。
なので、内分泌内科のほかに、心身医療科で精神科医にも診ていただいております。
心身医療科でお薬を処方していただく時には主疾患の下垂体腫瘍のことや、お薬に関する不安について、色々と相談させていただいております。ただし、これは私がたまたま良い精神科医に恵まれたからで、私のような患者ばかりでないのも事実だと思います。

お薬に関する不安を精神科医になかなか打ち明けられない患者さんや、 患者さんから直接、その方の主疾患について学ぼうとする時間をなかなか設けることが出来ない精神科医もいらっしゃるのかもしれません。

下垂体腫瘍と精神科のお薬について、精神科医の方と、精神疾患を合併している下垂体腫瘍の患者さんに理解を深めて欲しいと思って、この記事を投稿させていただきます。

PRLとお薬

お薬の中には、プロラクチン(PRL)を上げてしまう物があります
例えば、吐き気止めのドンペリドン(ナウゼリン)は私の場合、すぐPRLが上がってしまいます。

あと、よくあるのは精神科のお薬。
私の場合、1番最初にPRLを上げたお薬はメイラックスでした。
(このお薬で高PRLって聞いたことが無いのですが、私の場合、因果関係はかなり明らかでした。)
そして、結構なレベルでPRLが上がったお薬はロゼレムとリスパダール。
ごく最近ではジェイゾロフトが微妙にPRLを上げていました。

1患者として私は、「下垂体腫瘍の患者さんには、このようなPRLを上昇させてしまうようなお薬は適さないのでは?」と考えております。プロラクチノーマ(PRL産生性腫瘍)の場合はもちろん、他の種類の腫瘍でも、なるべく避けた方がいいのでは?というのが正直な意見です。

私の場合

私はGH産生性だったわけですが 、PRLが高いと不安になります。「もしかして、私の腫瘍はGHとPRLの両方を産生しているのでは?」という良からぬ不安を抱いたりしていた時期もありました。医師から「精神科のお薬を飲んでいるから」という説明を受けても、やはり心配でした。

最近になって、ようやくエビリファイというお薬で精神科領域の症状が落ち着いてから、私のPRL値も落ち着いています。ここに辿りつくまで、私は絶えず「下垂体ホルモンの値を上げてしまう可能性のあるお薬はなるべく避けて欲しい」と思いながら治療を続けてきました。もちろん、主治医にはきちんとその旨を伝えていたので、急性期以外でPRLが上がりやすいお薬は処方されませんでしたが。にもかかわらず、ことあるごとにPRLの話ばかりしてしまう患者をやっておりました。

主疾患の状態が正確に把握できない不安のせいでしょうか、「PRLを大幅に上げてしまうお薬は良くない」という自分勝手な先入観が働いてしまいました。そのため、そのようなお薬を急性期に処方された時、結局、必要な期間中、続けることができませんでした。

考察

私のケース、お馬鹿に聞こえるかもしれませんが、薬のアドヒアランス(服薬に納得し、自発的に、指示通りに服薬すること)にはこういった「薬の先入観」や、「主疾患の状態を正確に把握できない不安」が邪魔をする可能性だって十分にありえますよね。

特に2つめ、「主疾患の状態を正確に把握できない不安」は下垂体腫瘍の患者にとって、特に大きな不安になり得るように感じます。そういった不安を軽減させるため、プロラクチノーマ以外の腫瘍においても↑PRLの副作用の頻度が高いお薬は避けたほうが良い、と思います。

とはいっても、精神科のお薬はドーパミンを操作するものが多いです。そして、ドーパミンとプロラクチンは密接な関係があります。(ドーパミンはプロラクチン産生を抑制します)

精神疾患において、重要な脳内伝達物質はドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンですから、PRLの変動が「全く無い」というお薬を選ぶのは現実的ではないと思います。また、お薬を飲まないリスクを考えた時、私のように「服薬が望ましい」ケースもあるわけですよね。そういったことも考慮に入れて、患者さんには「精神科の薬=悪」という極端な考えをしないでほしい、と考えております。「薬物治療をしないリスク」も存在することも考慮に入れてみて下さい。

ただ、明らかに「高PRLの副作用が出やすい」と言われるお薬は、急性期以外は避けるのが理想ではないでしょうか。そして、どうしても高PRLの副作用が出やすいお薬を処方しなくてはいけない時、精神科のお医者さんには、患者さんによく説明し、患者さんの不安も考慮したうえでの処方を心がけて欲しいです。


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