2010年5月31日月曜日

多発性内分泌腫瘍症(MEN)-Part 3

皆さん、お久しぶりです。

暫らくブログの更新が無かったせいか、色々とメールを下さり、ありがとうございます。辛い時、とても励みになりました。全員に返信できていなくて申し訳ありませんが、その一つ一つはゆっくり読ませていただきました。つくづく「自分は独りで闘っているわけではないんだな」と思いました。

実は退院後の今、あまり調子が安定していません。入院前に比べれば危険なレベルの焦燥感は改善されておりますが、相変わらず「食べ吐き」や「食べられない」という課題があります。医師の前では笑顔で「だいぶ良くなりました~」(まぁ、嘘ではないので)なんて無理して元気に振舞っておりますけど、体重も実際は退院時より若干減ってしまい、髪の毛がどんどん抜けてゆくのが哀しいです。

まだまだ根本的な問題は解決されていないのかな、と考えております。むしろ、12年前に発症した摂食障害が今すんなりと良くなったら「何だったの?」という感じですけどね。

では早速、入院前にお話を始めたMENについての続きです。
今回はMEN-2についてです。
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MEN2
2種類の型&1種類の亜型

MEN2(エム・イー・エヌ・ツー)には大きく分けて2つ(2A型2B型)プラス亜型(FMTC)の計3種類があります。これらのMEN2に共通するところは甲状腺髄様癌の発症がほぼ確実に見られる、ということです。

MEN2A型(Sipple症候群)

MEN2A型はSipple(シップル)症候群とも呼ばれるそうです。

主な合併腫瘍は
  • 甲状腺髄様癌 (ほぼ全例)
  • 褐色細胞腫 (約6割)
  • 副甲状腺腺腫・過形成 (1~2割)
数字はMEN-Net.orgから引用しました。
また、同サイトによると、2A型はMENの中では一番多いタイプのようです。

MEN2B型

MEN2B型は2A型と似ているのですが、副甲状腺腺腫・過形成はみられないようです。

MEN2B型の主な合併腫瘍は
  • 甲状腺髄様癌
  • 褐色細胞腫
  • 多発性神経腫(粘膜下神経節神経腫;ガンゴリオニューローマ)
粘膜下神経節神経腫とは角膜、舌、口唇、舌、消化管などに生じる小さな突起です。これが「多発性」という名の通りたくさんできてしまいます。神経腫が消化管にできると、便秘や下痢といった症状がでることもあります。

また、2B型では特徴的な外見となります。皆さんはマルファン症候群をご存知か分かりませんが、このマルファン症候群に見られるような痩せ型で手足が長い体型になることも症状の1つです。
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MEN2AとMEN2BはRET遺伝子という共通の遺伝子が原因となっています。MEN1遺伝子と同じく、常染色体優性遺伝なので、患者さんのお子さんは50%の確立でRET遺伝子を受け継いでしまいます。

また、MEN2においても、上記の合併腫瘍が同時期に起きるよりはむしろ時期を別にして発症することが多いため、MEN1同様に、こういった病気が現れたら、その病気がMEN2と関連したものかどうかをスクリーニングすることが求められます。
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FMTC(家族性甲状腺髄様癌)

FMTCはMEN2の亜型で、甲状腺髄様癌のみが生じるタイプで、名前の通り家族性のものです。MEN-Net.orgによると、患者数の少ない小さな家系ではMEN2Aとの区別が難しいことがあるようです。

以上、MEN2でした。

2010年5月15日土曜日

退院しました-入院;外泊;退院;そして、これから

ようやく退院!

5月14日(金)に私は晴れて神経精神科から退院しました。今回の主疾患は「摂食障害」。大うつ性障害や自傷行為はあまりメインではなかったのですが、お薬はしっかりと調整していただきました。まだまだ「寛解」からは程遠いですが、体重もかなり増やすことができ、生きることがかなり楽に感じることができるようになりました。しばらくは入院生活と同じリズムで生活していくことにしました。

厳しい行動制限と慣れない集団生活(6人部屋)に発狂しそうになったり、PMDD(月経前不機嫌性障害-PMSよりかなり酷いヤツです)で「首吊りたい」と本音が出てしまったり、泣きながら長時間かけて食事したり、食後に嘔吐したい欲求と闘いながら絶望的になったり、と自分的には本当に壮絶な体験でした。しかし、この闘いも孤独なものではなく、ヘルパーさん、看護師さん、担当のお医者さんなどの大きな支えと励ましがあったからこそ出来たんです。

途中で「もう限界です。退院させて下さい。」とK先生を困らせたりしましたが、3泊4日の外泊の許可をして下さり、このあたりから急速に良くなりました。外泊第1日目に過食嘔吐してしまい、自分で「どうして失敗してしまったんだろう?」「どうすれば防ぐことができたんだろう?」と自問自答するようになり、外泊中、1日ごとに目標を定め、挑戦していきました。その経験を生かして外泊から戻ってきた時、私は別人になっていました。担当医師も「オレンジさん、外泊から帰ってきて随分とスッキリとした表情になりましたね。」とおっしゃっていました。外泊は決して成功とは言えませんでしたが、沢山のことを学ぶ良い機会となり、実り多いものとなりました。
  • 今後の課題が明らかになった
  • リストカット、オーバードース、飲酒無しで過ごせた事が大きな自信となった
  • どんなことが自分のQOLを保つのに必要かが分かった
  • 根本的な問題を見直すチャンスとなった
入院最終の1週間、私は目標を定めました。
  • 2/3~3/4はコンスタントに食べる。
  • 自己誘発性嘔吐はしない!
    • 万一やってしまったらナースに報告する。
  • 姿勢を良くする。
  • 「問題」を感じたら、きちんと言語化する。
      • ×自傷
      • ×嘔吐
そして今日、新たに退院後初のフォローアップまでの目標を設定しました。
  • 自己誘発性嘔吐はしない。
  • 21時までには就薬(就寝前のお薬)を服用。
  • 21:30までには寝る準備をする。
  • 「自分を大切にすること」を意識する。
  • 姿勢を良くする。
まずは気楽にこの5つからスタート。「気楽に」とは言っても、今の私には精一杯の目標です。

1番目の「嘔吐しない」について:
嘔吐しなければ空腹にもならないし、吐くことを前提とした食べ方はしなくなります。 

2番目と3番目の就薬服用と就寝時間について:
また、夜遅くまで起きているから余計なこと(自殺念慮、飲酒、OD、過食嘔吐など)を考えるので早く寝ることにします。就薬を早めに飲めば眠くなるのも早いので、早めの服用を心がけます。

4番目の「自分を大切にする」について:
病棟の主任看護師さんにご指摘を受けて、ハッとしたのですが、私は忙しくなると自分自身に粗雑になってしまいます。また、入院中も礼拝には行かせていただいたのですが、その時のお説教に「私たちは主のものなのですから、自分を大切にしなさい」「私たちを裁くことの出来るのは主のみです。自分や他の人を裁くのを止めようではありませんか。」といったメッセージが多かったんです。また、入院中も聖書通読を続けていたのですが、たまたま読んでいた箇所が先ほど述べたメッセージが込められた御言葉が本当に多かったので、しばし「自分を大切にすること」について考えてしまいました。

今までの私は自分を「管理」はしていました。しかし自分を「愛する」とか「大切にする」ということは怠っていた、というより、どうやってそうすれば良いのか分かりませんでした。今回の入院を通してようやく「自分を大切にすること」が本当はどんなことなのか、どう「自分を管理すること」と異なるのかをなんとなく掴みかけた感じです。これは今回の入院で得たことで1番重要なことでした。 

5番目の「姿勢を良くする」について:
私の猫背は精神的な要因が大きいです。「背が高い、体が大きいと感じるから小さくなってしまいたい;消えてしまいたい」という心を反映しているんです。また、猫背だと満腹時に感じる胃の違和感を感じずに済みます。この違和感が12年前に摂食障害を発症してから恐怖だったので自然と身についてしまったんですね。でも、姿勢を正すだけで気持ちが変わることが分かりました。それに、担当のK先生も「ほら、オレンジさん、また猫背よ~。姿勢は良くしないとね。体型云々ではなくて姿勢の方が大切よ。」とおっしゃっていました。また、同病棟内の患者さん方にも「オレンジさんは背が高くてスラっと細くてモデルみたいねぇ。前かがみの姿勢ではなくて堂々としていた方がカッコいいわよ。」と言われたので、姿勢を正してみます。

退院したとはいえども、まだまだ課題は山積みです。むしろ、退院はこれからの治療の始まりに過ぎません。しかし焦らず、完璧主義にならずに、自分のペースで歩んで行きたいです。