2010年1月13日水曜日

アメリカにおける診療-その2

「中待ち」って?
日本ではこんなことも医師がやらなくてはいけないの?
診察台に座らなくてもいいなんて嬉しい!

日本の「中待ち」

今の仕事(医療機器の営業)を始めるまで、私は「中待ち」の制度は女子医大だけだと思っていました。そしたら、大学病院をはじめ、大病院ではこの制度は当たり前のように浸透していることを知りました。女子医大では、まず、受付を機械ですると受付表が出てきます。そこに表示された受付番号が表示盤に出るまで「外待合室」で待ちます(いわゆる「外待ち」)。表示盤に自分の受付番号が表示されると「中待合室」に行きます(「中待ち」)。中待ちの表示盤に自分の番号が「現在診療中」の欄に記載されたら、診察室に入室、という流れです(女子医大のシステムについて詳しくはこちら)。

ただ、アメリカでこのシステムにお目にかかったことは一度もありません。ミシガン大学の大学病院でも、ミシガン州立大学のクリニカル・センターでも無かったです。

アメリカでは「中待ち」は本当に「中待ち」

これは大病院だけではなくクリニックでも同じですが(小さな町医者は除きます。町医者の場合はほとんど日本と同じです)、アメリカで「中待ち」にあたるものは「診察室の待つ」ことです。 まず、受付を済ませ、ロビーで待ちます。「受付番号」ではなくて名前で呼ばれます。Physician's Assistant (医師の助手、アシスタント)と呼ばれる人が患者さんを診察室まで連れてゆきます。この時、アシスタントはタブレットPCか書類を持ってやって来ます。

診察室に入ると、椅子ではなく紙シーツの敷いてある診察台 (Exam Table) に座るよう促されます。そして、来院理由、主症状などを尋ねられます。検温、血圧、脈といったバイタルをとります。そう、これは医師ではなくアシスタントの仕事なんです。彼らはこれらの仕事を終えると一旦、退室します。「これからドクターが来るから待っててね」などと言われます。ここまでがいわゆる「中待ち」です。

診察

 5~10分待つとドクターが、やはりタブレットPCを持って現れます。先ほどアシスタントに説明した症状を再度説明させられるところから診察は始まります。

診察が終わり、診断の説明、治療の相談等が終わるとドクターはそこで退室。また待つこと5分ほど。(場合によってはもっと長いです)先ほどのアシスタントが戻ってきます。お薬が必要な場合、処方せんはアシスタントが出してくれます。お薬の説明もアシスタントが行います。

患者からすると、本当にドクターは診察するだけなんです。(世間話などすることもありますけどね)私の個人的なイメージですが、ほとんどのお仕事はそのドクター専属のアシスタントや看護師が行っている印象でした。(病気が複雑になるとお医者さんも本当に沢山の仕事をして下さいますけどね。)

日本の患者の皆さん、この医療体制をあなたの病院と比べてみて下さい。アメリカのアシスタントが行っているこれらの仕事ってあなたの先生(お医者さん)がしていませんか?私の女子医大の先生はバイタルも自分でとります。症状を先に先生以外の方に訊かれる時は予約外の時のみです。

アメリカのように、業務が専門化していると、確かに先生の効率は上がるかと思います。正直、女子医大に始めてかかったとき、「日本のお医者さんってこんなことまでしなくてはいけないの?」と思ったものです。「アシスタントっていないのかな?お医者さんが全部やらなくてはいけないなんて大変だな。」と思ったのを覚えています。

ただ、アメリカのように仕事があまりにも専門化してしまうと先生との繋がりが日本に比べて薄く感じてしまいます。私の日本のお医者さんはバイタルを取るときも最新の機械に頼るのではなくマンシェットを巻いて聴診器でコルトコフ音を聞いて血圧を、実際に脈を手で感じて脈拍数を測定しています。実際に触れられることによって何となく「人間としての」繋がりや温かさを感じるんです。これがアメリカですと、最新の機械で特に私に触れることなくバイタルを測るので何となく冷たい感じがしてしまいます。

また、診察室に入って最初に座る場所がアメリカでは診察台。なんだか実験台というか、被験者というか、同じ「人間」に感じられないんですよね。アメリカでも、先生やアシスタントによっては「椅子でいいわよ」と言って下さる方もいらっしゃるのですが、やはり、最初は椅子に座りたいです。その方が「患者」である以前に「人間」である意識が強く持てます。ですから、日本の病院で診察時にまずは椅子に座ることができる、というところは嬉しかったです。

以上、本日は「中待ち」とお医者さんの仕事、診察についてでした。

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