2010年1月9日土曜日

アメリカにおける診療-その1

アメリカでは、病院に行くときはまず電話
どこの専門医に行くにもまずは主治医を受診

私がアメリカで手術を受けた、入院した、通院した、と言うと、アメリカの医療について尋ねられることが多いです。私は患者生活をアメリカで始めたので、アメリカの医療体制が普通に感じていていました。2008年1月に日本に帰国し、女子医大に通院した際、実はかなりのカルチャーショックを受けました。そういった背景も受けて、これから数回に分けて、具体的にアメリカでの医療がどのように行われているのか、患者の視点から挙げていきたいと思います。

完全予約制

まず、アメリカでは全ての診療が基本的に予約制です。例えば、風邪をひいたから近くのクリニックで診てほしい時も、まずは電話するんです。クリニックの場合、ほとんどは当日のうちに診てもらえますが、それでも予約が必要なんです。

大学病院を含む大病院においてはもちろん、救急を除き、ほぼ完全予約制です。押しかけていっても、救急でない場合、ほぼ確実にお断りされます。

全ての診療に主治医がかかわる

日本においては保険がきく施設であれば、基本的にどこの病院にもかかることができますよね。 アメリカでは残念ながらそれはできません。まず、主治医以外の専門医に診てもらう時には紹介状は保険の絶対条件です。これは非常に面倒なシステムで、例えば、私個人の体験を挙げると、耳側半盲で眼科にかかりたかった時にも主治医の紹介が必要でした。(そうでないと、保険が適応されないのです。)

これは、患者が「必要のない医療」を受けることによる保険会社の負担を減らす、という目的があるようです。 あと、このシステムによって主治医が1患者の情報を網羅することができる、というメリットもあります。

例えば、日本においては、次のようなことも想定されます。
高血糖で主治医(内科)にかかっている女性患者が生理不順で婦人科にかかり、視野狭窄で眼科、不正咬合で歯科、頭痛で神経科、関節痛で整形外科、と主治医が把握することなく受診をすることが可能です。そう、これはまさに先端巨大症の例ですが、これではなかなか診断が下りません。これが、アメリカですと、私の場合のように診断までの時間がそれほどかかりません。現に私の主治医は私が視野異常を訴えた時点で「脳下垂体腫瘍」を疑いました。主治医が紹介状を書かなくてはならないので、高血糖、生理不順、頻繁な感染症、頭痛、視野狭窄、という情報が全部カルテに残ります。そのおかげで診断も早かったのではないか、と思っています。

ただ、このシステム、患者からすると非常に面倒でもあります。特に、旅行中に病気をした時、不便です。救急の場合は、救急外来(ER)に行けばいいのですが、そうでない場合、手軽に近くのクリニックにかかることがなかなか出来ません。まず、主治医に電話しなくてはなりません。(保険上の都合です)

こういった欠点はありますが、専門医の入力したカルテ等の情報は全て主治医に送られるシステムなので、そういった面では便利なのかな、と思いました。

3 コメント:

さわ さんのコメント...

こんにちは。

アメリカ在住日本人でアクロメガリー患者です。同じ病気というだけでなく、アメリカで発病して日本に帰国しているということでとても参考になります。(私も日本に帰ることになると思うので)少しずつ過去のポストから読ませてもらっています。勇気が出ます。ありがとうございます。

主治医が必ずかかわるという話ですが、これは保険によると思います。私の保険は主治医はいてもいなくてもかまわない保険で、専門医にかかるときも紹介状は要りません。

私はアクロメガリーの症状で何年も悩まされていたのですが、あまりない病気だからか主治医から間違った診断をされていろいろな検査などでたらいまわしにされていました。そしてとうとう救急車で病院に運ばれるはめになり、そこでたまたま頭部のCTスキャンを撮ったら腫瘍が見つかり、その後GHとIGF1のチェックをされて初めてアクロメガリーだと診断されました。今年の3月です。4月に手術して今はサンドスタチンのお世話になっています。

このことがあってから主治医に頼るのはやめました。自分で調べて直接専門医のところに行っています。そして専門医からきたカルテ等も自分で集めて目を通して管理しています。大変ですが、自分の体のことを本当に知るきっかけとなってよかったと思っています。

主治医が有能で滅多にない病気についても熱心に勉強してくれる人だったらこうなってなかったと思いますが。いろいろですね。

さわ

Sara さんのコメント...

さわさん

コメントありがとうございます。
アクロメガリーの患者同士が逢うだけでも大変な確率なのに、さらにアメリカで発病して日本へ帰国予定、という境遇が私と似ているので、奇跡に近い確立での出逢いだと思い、かなり感激しています。!

> 主治医が必ずかかわるという話ですが、これは保険によると思います。私の保険は主治医はいてもいなくてもかまわない保険で、専門医にかかるときも紹介状は要りません。

そうなんですね。情報提供、ありがとうございます。確かに保険にも様々なプランがありますよね。主治医による紹介状の必要の無い保険もあるんですね。大変参考になります。

さわさんの体験談は、Acromegaly Community の多くの仲間の経験と重なるところがあります。彼らの中にも、たらいまわしにされ、診断が下るまでに大変に長い年月のかかった人が沢山います。そう考えると、私は普段、ごちゃごちゃ文句ばかり言っていますが、恵まれていたのかもしれませんね。

救急車で運ばれるまでに至る、とは大変なことでしたね。不安で胸がいっぱいだったのではないでしょうか。突然の診断、オペ、と驚きや困惑もあったかと思います。

私もさわさんと同様、この病気を通して「自分の健康は自分で守らないと!」と考えるようになりました。日本でも検査結果は全て手元に保管しています。

日本の先端巨大症の治療は遅れ気味ですが、サンドスタチンは日本でも使えますし、去年の10月から「特定疾患」になったので、患者の負担も減りました。当初は20mgで6万円ぐらい払っていたので、今は非常に助かっています。

余談ですが、私も診断は3月でオペが4月だったんですよ。

1患者の地味なつぶやきブログですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。

サラ

さわ さんのコメント...

サラさん

お返事ありがとうございます。そうですね、本当に奇跡的な出会いですよね。こういうことがあると元気になれますよね。

私はたらいまわしされている間ずっと「ストレスが多すぎるんじゃないか」とか、「It's all in your head」というコメントをされ続けていました。実際に精神安定剤が出されたこともあります。回りの人にも「でも医者は何ともないって言ってるんでしょ?」と言われていて、体がおかしい、つらいと言う私を本当に信じて心配してくれる人が身近にいませんでした。実際、自分でも気のせいでないと分かっているのに、「本当は気のせいで、体がつらいのは自分が弱いからなのかも」と思ってしまうこともしばしばでした。

なので、突然の診断とオペには驚いて不安などもありましたが、それよりも長年の謎が解けて、私は頭がおかしくなっていたわけでもなんでもないんだと分かったのがとてもうれしかったです。あとは、たらいまわしにされたせいで長年つらかったことに対する怒りですね。くやしくてくやしくて、その後何ヶ月も思い出すたびに泣いていました。

なんだか長くなってしまいましたが、オペで言うとサラさんはちょうど3年先輩なわけですよね。誰か自分の前に同じことを経験している人がいるのは心強いです。日本の特定疾患のことについても少しずつ学んでいこうと思っています。

さわ

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